二度目の初恋
これでやっと前に進める?

やっと亮太と普通に会話が出来る?!

やっと失恋から立ち直り、亮太の結婚を心から祝福出来る!

普通に会話が出来たことに嬉しく思う反面

時任さんの顔が思い浮かぶ。

私が立ち直ったってことは・・・

もうあの人の家政婦をやる理由がないってこと?


だって・・・元々この家政婦の仕事は失恋から立ち直るために

時任さんが協力してくれた事。

もし、私が時任さんにこのことを話ししたらきっと

この契約は・・・・・・終わるだろう。

そう思った途端、胸を押しつぶされそうな痛みが走りそのまま私はしゃがんでしまった。


どうして・・・こんなに胸が張り裂けそうになるの?

胸を押さえながら考えるのは

時任さんのことだった。


もしかして・・・私・・・

時任さんのことが・・・

だけど、続く言葉を私は飲込む。

『好きな人は・・・いるよ。片思いだけどね』

時任さんには思い人がいる。

時任さんが私の為にやってくれたことは愛情ではなく同情からであって

今日のデートは楽しかった。だけどそれは疑似恋愛で・・・偽物の恋。


私は胸を押さえるている手に力を込め

唇を噛む。

いや、きっと優しくされてそれを恋だと勘違いしているだけよ。

そう思う反面心は正直で胸がキューンと締め付けるように痛む。


もしこれが恋なら・・・私はまた諦めないといけない。

だって他の人を見ている人を好きになるなんでできない。

亮太にフラれてそのつらさは痛いほどわかったのに

これ以上傷つきたくないし

フラれるのがわかっているのに近くにいれるほど私は

強くない。

だから

明日、亮太への気持ちに踏ん切りが付いたことを話そう。

そして時任さんとの家政婦の契約を解除してもらう。

傷は浅い方が良いから・・・
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