二度目の初恋
亮太はイラストレーターでラノベや小説のカバーデザイン、

ゲームのキャラデザインをかいたりと幅広く活躍しているが、

性格は俺とは真逆で内向的だ。

そんな亮太がどこで嫁さんを見つけたんだ?と言うのが率直な疑問だったが

ハッと思いだした。

そういえば亮太の話しに度々出てくる女の子がいた。

それが円だった。

円は亮太の幼なじみだ。面倒見が良くて亮太が困っているときに

助けてくれるのはいつも円だった。

プロのイラストレーターになったのも

円の後押しがあったからで今の自分があるのは円のお陰だとよく話していた。

だから、とうとうその円と結婚かと思った。

「おめでとう!相手ってもしかしてあの円って子だろう?」

亮太は顔を歪めた。

その表情で相手が円ではないことに気付いた。

「え?ちょ、ちょっと相手って彼女じゃないのか?」

今まで亮太の口から円以外の女の子の名前は聞いたことがない。

あったとしてもそれは共通の友達でもあるしおりだけで・・・

「え?おい!じゃあまさか・・・しおり?」

考えたくなかったというか、今まで亮太がしおりに気がある

そぶりもなかったし・・・完全に想定外だった。

だが、亮太はそれも否定した。

「はあ?じゃあ誰なんだよ?俺の知ってる子?」

俺は身を乗り出す。

亮太は首を横に振る。

「・・・ネットで知り合ったんだ」

亮太はボソリと呟く。

めでたい話なのに空気はかなり重い。
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