二度目の初恋
結婚式は滞りなく終わった。


私が途中で泣いたり、暴れることもなく、亮太に好きだった思いを知られることなく・・・・・・

そうならなかったのは、今日が初対面の時任さんがいてくれたお陰だと思うが

式が終わり亮太に挨拶して帰るときに予想外の出来事が起こった。



「帰るぞ」

私は時任さんにポンと肩を叩かれ立ち上がった。

すると時任さんは私の引き出物を持って私の一歩前を歩き出した。

「待って!」

私は時任さんのすぐ後ろにくっつくように歩いた。

だって出口には亮太とその奥さんがいるんだもん。

「円、今日は俺たちのために本当にありがとうな!幸せになるから」

なーんて最後の最後にとどめを刺されたくない。

だから会場を出るまで時任さんの陰に隠れていようと思っていた。

だが、世の中そんなに甘くはなかった。
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