二度目の初恋

「・・・あのさ。円さんのことだけど・・・俺に任せてくれない?」

どうしてこんなことを言ったのか自分でもわからなかった。

「え?どういうこと?」

亮太は状況が掴めずかなり驚いていた。

「別に俺がお前の代わりに何かするわけじゃねーよ。お前はお前のタイミングで
ちゃんと円さんに報告すること」

「じゃあ聡はなにすんだよ」

かなり心配そうに俺を見た。

「・・・失恋後のフォローだよ。ほっとけねーだろ」

「・・・そりゃ~そうだけど・・・」

円の事を心配しているのだろうかかなり歯切れの悪い返事が返ってくる。

確かに俺は彼女と一度も会ったことはない。だが亮太を通して円のことをいろいろ聞いていたし

俺も似た経験をした過去があるからとても他人事とは思えなかった。

だがこの時は失恋のフォローの策があったわけじゃなかった。

結婚式で会ったときに考えればいいぐらいの気持ちだった。

とりあえず、披露宴での座席に関してだけ、円を俺の隣にするように

頼んだ。
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