二度目の初恋
その後、

円に結婚の報告と披露宴の招待状を渡したと亮太から連絡がきた。

式の2ヶ月前だ。

「で?彼女どんな様子だった?」

亮太は報告できた安堵感でいっぱいの様子で

「最初びっくりしてたけどさ・・・おめでとう・・って言ってくれてさ。
 俺、やっと心置きなく結婚出来るよ」

亮太の幸せそうな顔を見たら何だかイラッとした。

こいつは本当にバカだ。

結婚するって決まってから言ったところで相手が反論すると思うのか?

そもそも彼女はずっと思いを胸に秘めているような相手だぞ。

だからといって今の亮太に言ったところでどうにかなる物じゃない。

とりあえず、亮太にはそのにやけた面を彼女に見せんなよと忠告した。



そして結婚式当日

俺と円は初めて会うことになるのだが・・・

円は披露宴ギリギリに現われた。

予想していた通り下を向いたままで

こんな所になぜ自分はいるのだろうというオーラが伝わってきた。

俺はどうした物かと披露宴そっちのけで考えていた。

だが、披露宴が進むにつれ円の表情は悪くなるばかりだ。

そりゃそうだ。

聞きたくもない馴れ初めを聞かされるんだからな・・・

自分の方が新婦よりも新郎のことをよくわかっていただろうし

あいつの隣に座ることを夢見ていただろうに・・・

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