ダブル王子さまにはご注意を!



「……無駄が嫌いなだけだ」


一樹はそれだけ言うと、後は無関心そうに新聞に目を通すだけ。夏樹もタブレット端末を操作しながら苦笑いをしてた。


「一樹も素直になれないだけで、根は悪くはありませんから……そうそう。勉強会が終わったらお迎えにいきますよ」

「駅! 駅まで行きますから。そこで待ち合わせしましょう」


夏樹の話を遮ってしまったけど、どうしても譲れなくて先回りして意思を伝えておいた。


「わざわざ会場まで迎えに来てもらうのも申し訳ないですから……」


本音は“悪目立ちしたくない!”それに尽きるでしょう。


イケメンなカレシがかっこいい車でお迎え……想像するだけで悲鳴もんの美味しいシチュエーションだけど。こんなヨレヨレなアラサー干物女をモデル並みのイケメン様が運転手つきの高級車でお迎えなんて。なんの公開処刑?


勉強会で顔を合わせるのは何も自社の社員だけじゃない。顔見知りのメーカーの営業さんや、場合によってはライバルの同業者さんもいらっしゃるんですよ。狭い業界では顔見知りも増えていくわけで……。


悪い意味で目立った挙げ句の果てに、「コイツ似合わね~プークスクス」なんて裏で笑われると思うと、羞恥で軽く三回は死ねる。こんなことで何年も語り継がれる伝説なんざ作りたくないわ!!


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