ダブル王子さまにはご注意を!
「てか……あんたこそ」
ジロリ、と音が立ちそうなほど鋭い視線を香織に向けられた。
「あんなイケメンを前に、よくそんなカッコできるね!?」
「え、そう?」
バリバリと朝食のバケットをかじりながら答えれば、彼女はくわあ~と奇妙なうめき声を上げた。
「そう? じゃなくて! その地味なスエット! あたしの記憶違いじゃなきゃ、高校の頃からのでしょ!しかもなに、顔も洗ってないでしょ。だらしなすぎ。あと、髪くらいとかしなさい!てかシャワーくらい浴びて身支度してから出てこい!!」
「え、やっぱわかった? 流石ですな、カオさん」
ポリポリとお腹を掻きながらがははと笑えば、ますます親友の目がつり上がった。
「笑って誤魔化さないの! あんたはいつもそうなんだから」
興奮すると、ふんが~! と鼻息荒くなるのもあなたの悪いクセですよ。……怖いから言わないけど。
「よし、決めた!」
パン、と両手を叩いて香織がイケメン様と私の前で宣言した。
「今日はあたしも手伝う。その代わり、真由理改造計画に付き合ってもらいますからね!」