ダブル王子さまにはご注意を!
「宝石……」
呟いた後、あれ? と思う。
今日は確かに香織がマンションに突撃してきて、彼女が夏樹達にいろいろと質問して……それからショップで二時間ばかり費やしたけど。
「私、ブランドショップで倒れたの?あれ、でも宝石なんて扱ってたっけ?」
「え……」
どうしてか香織が目を見開いた。
「え、なに言ってんの? あんた宝石店で倒れたんだよ? 夏樹がオーダーアクセサリー作ってくれるって言うから、石を選んでる最中に」
「は? カオこそおかしなこと言わないでよ。私は宝石店なんて行ってないよ。全然記憶に無いもん」
「……真由理? それ、マジで言ってんの?」
なぜか、香織は真剣な面持ちで私の顔を覗き込む。
「うん、マジも大まじめだよ。そういやお腹空いたけど、そろそろお昼?」
鳴りそうなお腹を抱えて起き上がる。香織が支えてくれたからありがとうとお礼を言えば、彼女は黙ってスマホを見せてくれた。
けど……
その日時に目を疑った。
「え……何これ? どういうこと!?」
スマホの液晶画面に表示されてたのは、丸3日間過ぎた日の夜だった――。