ダブル王子さまにはご注意を!
「真由理、これで良いの?」
「あ、サンキュー!」
お母さんの声が聞こえたから、座ってたベッドから降りて駆け寄った。
「こら! まだ原因がわからないんだから、急に動いちゃ駄目でしょ?」
「大丈夫だよ~みんなが大げさ過ぎるんだって! 私はピンピンしてるのにさ」
買ってきてくれたお菓子を早速摘まもうとしたら、お母さんにピシャッと手を叩かれてしまいました。
「これ! いい年して何ですか。子どもみたいな真似をしないの」
「はぁい……」
やっぱりいくつになってもお母さんには敵わない。叱られて落ちたまま、ベッドに逆戻りした。
「ちゃんとお医者様と看護師さんの言うことを守ってる? あんたは落ち着きないから心配だわ」
そばの椅子に座りリンゴを剥きながらため息をつくお母様よ……いい年して心配させてすみませぬ。
「うん……でも私だっていろいろと考えてるよ、これでも」
「そう? 本当にそうならいいんだけど……あんた、昔も原因不明なまま入院したことあるからね。やっぱり一人暮らしさせるのは心配だよ」
「え……」
本当に、何気なく重大なことをサラリとお母さんは口にした。