Pathological love 番外編
To my dearly beloved
羽根みたいな、ふわふわの初雪がホスピスに舞い降りたあの日。
連理と私の心が一つになった。
散々泣きまくって落ち着いた後、すっかり痩せ細った私を見た彼は、そのまま私をマンションまで強制連行していた。
「連理?!自分で歩けるから下ろして!!」
「絶対ダメだ。そんな身体で転んだらどうすんだよ?じっとして俺に運ばれてろ。」
「……でも……恥ずかしいよ……。」
「顔隠せば平気だろ?」
私の様子などお構い無しに、私を背負うとマンションのエレベーターに乗り込んだ。
「ほら?今の所、誰にも見られてないだろ?」
エレベーターの窪みに私を凭れさせて、素早く私の方に身体を半転させた。
近距離で向かい合う様な体勢になる。
「わっ!ちょっと連理!!落ちるっ?!待ってっ!!」
ぐらつく身体を咄嗟にしがみついて支えると、目の前ギリギリに彼の顔が迫っていた。
「ちゃんと押さえてるから大丈夫だって。」
ちょっと前までは、感極まって抱き合っていたけれど、改めてこんな近距離に彼の顔があると思うと、ドキドキと胸が高鳴って、頬が熱くなってくる。
「こんなに痩せて……。」
心配そうに眉を歪めると、私の頬に手を当てて、少し見上げる様にして私の顔を覗いた。
自然に距離が詰まり、彼は唇をゆっくりと押し付ける。
「んっ……連…………」
優しく触れた唇は、ゆっくりと焦らす様に私の唇を弄ぶ。
少しづつ深く深く私の中に侵入してくる。
リップ音と吐息だけがエレベーターの中に響いた。
(あぁ……ヤバイ……)
どのくらいそうして居たのだろうか、あっという間にエレベーターが到着を知らせた。
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