守神と大黒柱と示指?

9.新組織編成

いずれにせよ、マネージメント力をアップさせないと20名以上いる場所で管理職がいないというのはお粗末としか言えない。

しかし、どういうやり方で管理職を持ってくるかも考えなければならない。

社員3名のうち2人の主任は、この検査課専用要員として入社した経緯があるらしいので、古くからいる社員を押しのけて上に管理職を置いて果たして噛み合うのだろうか?

それより、多少時間はかかっても、3名の中で誰かが上になってこの城を守っていくのが良いのか?

大黒柱としても大いに悩んだ末に、人事部長に2人の主任が管理職になれる最短スケジュールはどうなるか確認した。

驚くことが分かってしまった。

入札から頑張ってくれた方の主任は、過去の業績評価の責任なのかどうかは不明だが、評価が悪かったためにポイントが不足して、10年経過しても課長にはなれないことがわかった。

同じ主任だが、影に隠れていた方は、着実にポイントを貯めてきているので、今回の人事考課でAを取れば昇格試験の受験資格ができる。

これらの情報を持って、検査課に出掛けて行き、3人の社員を集めて話しをした。

「ご苦労さん、業績も安定してきたのは非常に良かった」と、大黒柱が頭を下げた。

「そこで、来期に向けて検査課のマネージメント力をアップさせる方法を色々考えてきた」、「ひとつは、黙って会社からの人事異動を受け入れる」、「ふたつ目は、時間がかかっても3人の中から管理職をつくる」のどちらかだと思う。

それで、ひとつめだったら来期早々からでも準備できると思うけれど、ふたつ目だとちょっと問題がある。

まず、3人はどっちを選ぶかを決めて欲しい。

ふたつ目で良いと言われたので、いよいよ人事部長の意見を言わなければならない。

主任二人のうち、古い方の主任はすぐに管理職にはなれないので、新しい方の主任に係長への昇格試験を受けてもらい、島持ち係長で部下を持ってやってもらう方法しかない。かわいそうだがそれが現実だ!

「ところで、副主任に質問するけれど、二人の主任のうちで一人が係長になった時に支えるほうに回れるかどうか?」と大黒柱が聞くと。

「大丈夫、支えます」と、緊張した様子の副主任。

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