守神と大黒柱と示指?

4.後日、結石粉砕!

その日の夕方、長女と一緒に見舞いに行くと昨日のICUにはいなかったので、ナースステーションで行き先を聞くと今日から入院病棟に移っていた。

妻の入院病棟はC棟の322号室で、ICUからC棟へは行きにくいので、1階まで降りて、別なエレベータに乗ってC棟に言った。

病室に入ると妻は、点滴をしていたが、思ったよりも元気だったので安心した。

長女が「はいっ、これ!」と、新しいパンティとラジオを渡した。

ラジオは、以前大黒柱が入院した時に、見舞いで貰ったものだ。

携帯メールで連絡を取り合っていたようだ。

「どうだ、調子は?」と聞くと、「食事がまずい!」、「夜、うるさいので眠れない!」など不満を言う。

それが、元気になった証拠だ。

「欲しいものある」と長女が聞くと、「小説が読みたい!」。

「解った。明日、買って持ってくる」と長女が言った。

昨日のことが、嘘のように元気だ!少しは弱っているけれど…。

「じゃあまた来るね!」と長女と一緒に帰った。

最初の日と次の日は長女も来たが、回復してきたことがわかったので、病院に見舞いに来ないようにした。

見舞いと食事の用意の両方だと長女が参ってしまうので。

見舞いは大黒柱に任せて、長女は食事の支度をすることにした。

大黒柱が見舞いに行くと有名な人の推理小説が読みたい。

推理小説を2・3冊買ってきてと言うので、遅くまでやっているブックセンターにやってきた。

たくさんの本が並んでいる中から、小説の棚を探し、たくさんの推理小説の前で立ち止まった。

大黒柱には、どれも同じに見える。

だけど妻が読んだものを買って行ってもだめだから。

だけど、どれを読んだか解らない。

しかたがないので、目を瞑って、人差し指が触った本にしようと思い、人差し指を本の手前に置き、横に動かしていくと指が触れたのが3冊あった。

3冊を購入して、妻のところまで持っていった。

さらに、次の日はお菓子が食べたいとか果物が食べたいとかわがままになっている。

でも、病人だから仕方がないか…。

妻は、食事の文句を言いながら、1週間入院して十分に小説を読むことができたので良かったのでは?

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