守神と大黒柱と示指?

6.ボランティア団体からの退会を決意

毎週、土曜日か日曜日のどちらかは、森の整備やイベント関連の作業をしないと森を維持管理をしていくことができない。

一方、家では、我々の年代は自分達以外に、子供達に手がかからなくなると同時くらいに、親の介護が待っている年代でもある。

50歳になった時に、家族よりも社会や地域のために何かしようと市民ボランティアに参加した。

試しに参加したのに、こんなに長く活動するとは思っていなかったが6年もやってしまった。

大黒柱の人生の経験としては、やって良かったと思っている。

地元にも仲間ができたし、同窓会のような感覚で付き合える。

会社の中と違って、仕事の愚痴を言っても問題にならないし、良いアドバイスを貰えたりする。

人の繋がりが会社と違って、縛られていないので、やりやすい面とやりにくい面が極端に出ることが多い。

また、イベントなどでは達成感を共有することができた。

その分、家族と仕事が若干疎かになっていたような気がする。

だから、お婆さんの入院をきっかけにして家族を見直す良い機会だったのかも知れない。

やっぱりお婆さんがこの状況ではボランティア活動を今まで通りに行うことは無理だ!

さらに、お婆さんは動けなくなる病気なので、介護を早急に考えなければならない。

一方、田舎のもお袋の三回忌が残っているし、誰も住んでいない家の処分も残っている。

もっと言えば、お墓の移築もある。

考えていくと両方の家を中心にして動かないとダメになってきた。

大黒柱のスタンスを変える時だと思う。

ボランティアから家庭に!

ボランティアも責任のあるポジションから下ろしてもらわないと…。

副会長達にメールを送り、会長の退任と森のリーダーを降り、一般の会員になりたい旨の検討をお願いした。


  *


桜が満開な頃に、次期会長候補と副会長を呼び出し、花見をした後に近くのやきとり屋に誘った。

なかなか本題に移れずに、世間話と酒の量だけ多くなって来た頃、次期会長候補が口火を切った。

「それで、会長職と森のリーダーをどう考えているの?」と言った。

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