守神と大黒柱と示指?
その後自分なりに、今まで見たり聞いたりしてきたことや、観察してきたことを思い出すとお婆さんは、腰の骨の痛みとは違うところが痛いと言っているのではないか?

こちら側が聞く耳を持っていないのでは…。

また、最悪を考えた時、腎臓にできた石が原因でこんな結果になったと後で言われて、後悔はしたくないし、開腹手術はしないのだから…。

体外衝撃波結石破壊術(ESWL)でやってもらった方が良いと思う。

もし、どうしても痛みを我慢できないなら、中止も簡単だろうから。

翌日、病院内の妻へのメールに医者に腎臓の結石を粉砕する処置をお願いするようにと送った。

妻から「了解!先生にお願いした」「後日予約!」との返信。
     
先生には、できるだけ早く処置するようお願いした。

お婆さんは、同室の患者さんと仲良くなり、情報収集して体外衝撃波結石破壊術が痛いということが分かってきたようだ。

嫌がる前に終わらせないと病気を治療していけない。

どうも、今回のお婆さんの主治医は、優しすぎるのか、優柔不断なのかスケジュールが決まっていかない。

大黒柱の主治医だったら、命を預ける医者としては不安なので、交代してもらっているかも知れない。


      *


後日、1回で粉砕することができたので、痛みも消えて順調にリハビリを行いだした。

やっぱり、何の仕事でも、現場に近いところの声を聞くと真実が見えてくるのかもしれないなあと思う。

一方、細菌が入ってしまって血圧が下がり、酷くなると前回のように命に関係するところまで行くことも無く、今回は早期だったから点滴だけで回復した。

1週間後、お婆さんを残して、妻の方が退院した。

ただし、結石の粉砕処理を残したままで…。

お婆さんの病室に、オシメと紙オムツを残して今日は帰ります。
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