守神と大黒柱と示指?
第15章・二つ同時の戦争!

1.もうひとつの戦争の予感!

妻が仕事を終えて帰ったら、いつもはお婆さんが1階の居間にいるので、つい癖でドアを開けた。

すると、テレビも点いていないのに「サッサッサッ、サーッ」と変な音が聞こえたらしい。

大黒柱も、2階で夜寝ようとしたら、天井裏で「ササーッ」という音がした。

妻と二人で「ネズミーッ?」。

「いや、違うだろう!違って欲しい!」と思いながら、眠りについた。

ネズミだと思ったら、気になって寝られなくなるから…。

大黒柱自身は、朝起きてもネズミのことは考えないが、妻と長女はネズミのことが頭から離れないようだ。

家に帰り、閉まっている扉を開くときに、ネズミが出てこないか、ものすごく怖いそうだ。

ゴキブリとどっちが怖いか聞くと「ネズミ!」の方が怖いそうだ。

ネズミの方が尻尾も長く、飛び掛ってきそうだから…。

お婆さんは入院のため、この現状は聞いていてっも認識はしていない。

妻と長女の訴えにより、家族会議を開くことになった。

家族会議を開いて、ネズミとの全面戦争に突入する旨を家族全員で確認し、売られているネズミ捕りグッズを設置しながら捕獲していくことにした。

早速、大黒柱と妻はネズミ捕りグッズを購入しにお店に行った。

お店には、ネズミの種類による習性を説明したチラシが掲示されていた。

こんなに大きな売り場面積なのは、ネズミで困っているのは家以外にも多いのでは…。

妻は、そのチラシを隅から隅まで丁寧に読んで多くのグッズが置いてあり、どれが利くのかわからないので、昔ながらの餌を入れて、バネで入口を跳ね上げて置くタイプのものと粘着シート2枚入りで、家の形にできるものの2種類を購入。

果たして、ネズミが捕獲できるか?

昔のタイプは1階の台所の隅に、粘着シートのものは畳の部屋の隅に設置した。

妻と長女は、簡単に捕獲できると期待していたようだ!

  
    ж 三日後


朝、妻に起こされた。

「ネズミがいるよ!早く来てー!」という、声…。

急いで1階に下りていくと、畳の部屋の隅の粘着シートの上で、小さなネズミが横たわって死んでいた。

ネズミのいる粘着シートを二つに折り、新聞紙で何重にも包んでゴミ箱に捨てた。

成績が良いと喜んだものの、次が続かない?

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