守神と大黒柱と示指?

7.妻も目撃！

妻も、１階の居間に入った時、大きなネズミがエアコンの中に逃げていったと言い始めた。

二人の証言が一致してしまった。

エアコンのダクトの中から外に出られるようであれば、外から食べ物を調達できるので、兵糧作戦は失敗する。

ダクトを確認しなければと思いながら、朝の忙しさに忘れてしまっている。

仕事帰りに見ようと思っても、暗がりのために良く見えない。

今度の休みに確認するが、ネズミの捕獲を優先しなければなるまい。

妻と一緒にネズミ捕獲グッズの店に行き、「プロ仕様強力粘着５枚入り」を購入し、エアコンから着地する可能性のある場所及び足跡の汚れが多かった場所に5枚全て設置した。

今度のネズミは大型のため、粘着シートの裏にガムテープで輪にして、取れないように貼り付けて設置した。

これは、長女のアイディアだ。

明日に期待して、今日は眠ろう。

　　　　ж　翌日！

朝、妻が１階のエアコンのある居間に入ると、すぐそこに大型のネズミがジタバタしていたようだ。

すぐに、２階に戻って「お父さん、ネズミかかった！」と言いにきた。

大黒柱が１階に降りていくと、今までのネズミよりも大きい。

だが、大人のネズミだが、大きいー！というほどでも無い。

大人のネズミは捕獲したが、大きいだけに生命力もあり、逃げようといつまでも暴れている。

大黒柱がネズミをどうやって処分しようか考えながらネズミを見てみると、黒目が飛び出しているように見えた。

必死で逃げようとしているのかも知れない。

粘着シートを二つ折りにするとネズミの背骨が折れる角度だけど…と、ためらったがこれも戦争だからごめんねと思って、瞬間的に目を瞑って、二つ折りにして新聞紙に何重にも包んでゴミ箱に捨てた。

後味の悪い思い出来事だ。

でも、大黒柱はこの大きなネズミで、戦争は最後かも知れない。

そう合って欲しいとも思っていた。


< 184 / 205 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop