守神と大黒柱と示指?

8.落ち着かない食事?

ネズミとの戦争が始まってどのくらい経つのだろうか?

1ヶ月以上は過ぎているだろう。

大黒柱は、家に帰ってこなければネズミのことは考えないのだが、帰ってくると頭から離れなくなる。

どうも、エアコンの中に消えたという言葉が独り歩きしているのか、居間で食事をしていても、気になる。

それは、大黒柱だけでは無く、妻も長女も同じ気持ちだったようだ。

実際に二人とも見てしまったのだから、気にならないはずはないだろう。

長男だけは気にしていないようだが…。

エアコンのある壁を見ると黒くなっている部分がある。

よく見るとネズミの足跡のように見える。

同じ場所でジャンプして昇っているのだろう。

今度、粘着シートを仕掛ける場所はそこにしてみよう。

長男が遅く帰った日、3人で食事をしている時に、自然と「キョロキョロ」しているようだ。

妻と長女も同じ時に、「キョロキョロ」し、3人の目があってしまった。

目が合った瞬間、3人で大笑い!

目でネズミの存在を追う動作をしていることがわかって、三人とも精神的に病んできたと理解したからだ。

早く、ネズミとの戦争を終結させたいと思っているものの、いまだに家にいるのか、撤収したのかさえ不明。


  * 一方、病院では?


さて「午後、お婆さんのところに見舞いに行く?」と妻が言う。

大黒柱は「いいよ!」と答えた。

今日も車でお婆さんの病室に見舞いに行き、紙のオムツやオシメが足りているか確認した。

不足しているので、妻が「今から買ってから戻ってくるから!」とお婆さんに言って病室を出た。

病院の外に買いに行き、いつものドラッグストアに寄って買って補充しておいた。

以前のお婆さんは「早くリハビリして、退院するんだ」と思っていたらしいが、最近のお婆さんは、「ゆっくりとリハビリして、万全になってから退院する」と言うようになった。

こちらも、その方が楽だし、中途半端に家にいられてもお互いに困るので…。

ゆっくり、確実に治してから退院した方が絶対良い!

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