守神と大黒柱と示指?

3.再度、24時間の流血!

大黒柱も前回の接合手術と今回の手術では、まったく異なる手応えだと感じていた。

手術室の中でも直接的には見えなかったけれど、医者が「終了で~す」と言ったと同時に薄い光が左手を包み、ゆっくりと体内に消えていった。

大黒柱は、何となく接合した人差し指から新しい大きな力が体中に入ってきたような気分だった。

何か意思の強さが2倍になったような…。

心の中の充実感がどんどん広がっていく!

   ж


さて、手術後の処置はもう一度繰り返すことになってしまうので。

再度、仕切り直しということで、大黒柱もベット上の活動範囲にまた戻されます。

24時間体制で看護師と協同して行う流血作業も、もう一度最初からです。

看護師の皆さんには頭が下がります。

頑張りましょう!大黒柱の指のために!

こんなにたくさんの人に迷惑を掛けて、指が再生できたら、タバコは絶対禁煙しなければと改めて思った。

いつも夜は、爆睡しているので、夜のことは気づかなかった。

その日は少し暑苦しい夜だったので、なかなか熟睡できないまま、夜の看護師による1時間毎の巡回の時間になった。

小さな懐中電灯を顔に当て、大黒柱だという確認をした後、薬に浸した脱脂綿を大黒柱の指先に巻きつけ、流血を継続させるのだが、今回は指先の傷口の血が固まっているので、安全剃刀のようなもので傷口部分を切って血を流すようにしている。

なかなか、遠慮しているので出血せず、苦労をしているようだ。

この日はなかなか寝付けなかったので、毎回起きてしまった。

看護師には申し訳ないと思いながら!

翌日、明け方に眠りに就いたためか、目が覚めた時には、左手をお腹の方に巻き込んで寝ていた。

びっくりして布団をどけて見たところ、シーツにもたくさんの血が付いていたけれど、左手は無傷でほっとした。

明け方に一気に熟睡した結果が、このような事態になってしまったのだろうか?

気をつけて寝なければ…。
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