守神と大黒柱と示指?
造園会社の社長が「先日も仕事関係の人が、チェンソーで足を切断したばかりで見舞いに行ったけど大変そうだった」と言う。

「先のことはまだ考えられないだろうけど、気長に考えた方が良いよ!」と言ってくれたので、気が楽になった。

見舞いに来ても、あまり話が弾まないのはそのためかも知れない。

「早く良くなって、森に復帰して!」と、皆から言われたが、まだまだ作業ができる状態では無い。

励ましてくれているとは思っても、まだ精神的には社会復帰できていないようだ。

病人が、先のことを考えてもしかたがないので、他人のことよりもまずは自分が大切と思ってしまう。

でも、見舞いに来てくれるとやっぱり元気が出るんだね!

そう言えば、見舞いに来てくれた人全員が「利き手でなくて良かったね!」と言う。

「そうなんだよね!」と話しをあわせている、

人間というのは細かな作業をするための機能は非常に良くできている動物だと感心する。

利き手の反対の手で、物を押さえているから利き手で捕まえられるんだと始めて知った。

片手だと対象物が、事前にどんな動きをするか予測して力を加えるか、何か固定してから右手で持ち上げるような動作をしないとうまくいかない。

特に顕著なのは、食事でもおぼんの上を食器が滑らないように扱わないと食べられない。

実際に困ったのは、プリンのフタを取るのに、両足で横から挟みながら、右手で出っ張り部分を引いて空けるのが精一杯のやり方だった。

毎食後に「看護師は声をかけてください!」と言ってくれるが、自分でやれないでどうする!

と自分を励ましながら、チャレンジしている。

しかし、どうしてもできない時は悲しくなる。

声をかけようかとも思う!

社会復帰できるのだろうかと不安になる…。

でも、リハビリをかねて、どんどん食べよう!
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