守神と大黒柱と示指?

10.入院中のリハビリ

診察の後に、予約なしで、リハビリ室に寄った。

リハビリ室は、ちょっとした体育館のような専用の部屋とインストラクターが大勢いて、歩行関係の大きな道具から爪楊枝などの小さな道具まで、患者にあった道具でリハビリができるようになっている。

大黒柱の担当インストラクターから聞いたところによると、先生の下に何人かのインストラクターがいて、インストラクターが何人かの患者を受け持っている。

インストラクターは、医者の治療方針を受けて患者のリハビリを考えるが、資格が必要なのでやれる範囲は決まっている。

リハビリ室では、自分よりも大変な人がたくさんいて、その人達から勇気と頑張りが貰える。

さらにリハビリ室で、この病院の情報インフラについて勉強をしてしまった。

この病院の産婦人科以外のすべてに、大黒柱のカルテがあると言ってはオーバーだが、近い状況ではある。

そのカルテとレントゲン写真、エコー画像、薬、処置、先生の引継ぎ内容等に、全部のデータが一元的に見えるようになっていた。

今回は、「この指のレントゲン写真だとよく見えないので、別な角度のレントゲン写真を主治医に言って撮影してもらって欲しい」と言われた。

試しに、以前整形外科に通っていた時の腰のレントゲン写真をありますか?

と聞くと、ちょっと待ってね!

画面の下にある画像の縮小版の中から、腰のレントゲンを選んでクリックすると画面が拡大した。

確かに、以前見た自分の腰の写真だった。

それにしても、指のリハビリは、地味だ。

バスタオルの上で、少し硬い粘土を強く握ったり、弱く握ったりを繰り返したり、パルスの出る機械でマッサージしたりがリハビリのようだ。

やることは地味でも、ここは病院の中でも少し雰囲気が違うところなので、ここに来るのは楽しみにしている。

リハビリのインストラクターも優しいし、同室の肩からバッサリを接合した人と一緒のリハビリは気分転換になる。

「外来でまた来るからよろしくね!」

以前、同室だった肩からバッサリの患者もこのリハビリ室で会えるから…。

話題は、同室でインスリン注射をしていて、踵を手術した患者の消息だ!
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