守神と大黒柱と示指?

2.病院に逆戻り

明日の午後は、医療センターでリハビリの予約日になっている。

それだけなら会社に半休届けを出して半日休めば良かったのだが、明日の午前中に再検査をすればいっぺんに済むと思ってしまった。

そうすると終日休むしかない。やり残したことがあると気持ちの中にモヤモヤが残り、気持ちが悪くなるので、結果がどうであれ、やってしまった方がすっきりすることがあるので、明日は終日休んで検査を受けよう。

当日の朝に、人間ドック検診の再検査を受けようと突然思いついて、朝早くから内科で受付して順番を待っている。

人間ドック検診で血糖値の異常が見られるとの結果だったが、たいしたことにはならないだろうから…。

と、思っても、以前形成外科に入院していた時、同室だった患者さんが水虫との合併で足を切るとか、切らなくても踵についた水虫菌を除去するのに皮を残して肉を取り除いた傷口を一瞬見てしまった。

そのイメージが明確に蘇ってきて、怖くなってきた。

しかし、大きな病院は、血液検査、尿検査が当日中に結果が出るので、待つしかなかった。

中待合室まで、通されたがここからが待たされると思った途端だった。

「大黒柱さん、1番診察室にお入りください」

名前を呼ばれたので、中待合室から診察室に入ると若い医者だった。

結果は、聞きたくない病名だった。

糖尿病だと断定され、緊急で入院することになってしまった。

「あくまでも、指の接合で入院した時に、食べ過ぎたのが原因で、一時的に太っただけだと思うんですが」と言っても聞いてくれません。

太っているとか、痩せているとか、あまり関係ないし、最近の食生活を問題にして糖尿病だと言っているわけではありませんよ。

数ヶ月間の生活全般の数字で出るヘモグロビンA1Cの数値が高いのだという。

糖尿病患者は、外見では判断できないそうだ。

やっぱり、一番怖いのは何かの病気と合併して症状が出てくることで、大黒柱さんの場合、接合した指の傷が完治していない状況では、血糖値をコントロールしないと指の傷も治らないし、毛細血管も成長しなくなる恐れがあります。

「仕事も大切ですが、早急に入院してください」と医者に言われた。

< 65 / 205 >

この作品をシェア

pagetop