守神と大黒柱と示指?
切断された人差し指が強い意思を持つ示指として出現し、示指が「僕」として感じたこと、思ったことで、意思の力を増やしたことを。

その増えた意思の力を大黒柱の指に接合した時、示指から大黒柱の体中に意思の光が入り、大黒柱が示指の強い意思を受け継いだことを。

妻は、知らないだろうし、話しても信じられないことだから黙っていよう。

大黒柱自身のこれからの人生観でもあるのだから…。

また、示指の役割が大黒柱の意思の力を強くするために存在したことも、守り神から聞いた。

その守り神も、今は消えてしまった。

守り神は、広い大地のようなやさしさで大黒柱一家を見守ってきた。

しかし、大黒柱は存在を信じてはいたが、確実に見たのは口喧嘩をした時で、それ以外は守り神にわがままを言って困らせていただけだ。

自分の母親が早くに亡くなり、育ての母親と父親も亡くなっていたので…。

自分のミスを守り神の責任にしたことを申し訳ないと思っている。

消えてしまってから言っても仕方が無いが「ごめんなさい!」と、初めて大黒柱は謝った。

本当のやさしさを光に変えて、大黒柱の体中に託してから消えたことを思い出したのだろう。

大黒柱の目に、涙が出てきている。

消えてはいけない、消してはいけなかったと後悔をしているのだ。

自分で撒いた種だ!

守り神が消えるときに言った、強くならなければと思った…。

自分が守り神の代わりにこの家の大黒柱として頑張るのだと…。

この話しも妻には内緒だが、涙を妻は見てしまった。

妻は「どこか痛いの?」と聞いてくる。

「いや、何でもない」と涙を拭きながら大黒柱が言う。

もうひとつの疑問を聞くには、さらに時間が必要かな?

今度にしよう!
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