惡夢
第4章
前のデートから2ヵ月がたった。学校では教師と生徒として普通に会えるし、メールをすれば必ず返信がくる。それなのに、凛音はなんとなく、心が離れてしまっている気がしてならないのだ。クラスの女子が、最近倉科と妻と娘が外食しているのを目撃したそうだ。
「正しい家族の形に戻れて、良かったね。」
誰もいない教室で一人呟く。声は枯れている。そこに倉科が入ってきた。
「今日、夜、暇?」
「え、何いきなり。」
「久しぶりにデートしようぜ。」
午後9時、半ば強引に誘われた凛音はいつものコンビニで倉科を待っている。しばらくすると、見慣れた黒の車がやってきた。
「お待たせ。」
「ううん。今日はどこ行くの?」
「着いてからのお楽しみ。」
そう言って連れてこられたのは、真冬の海だった。
「なんで海なの?」
「恋人同士で砂浜の追いかけっことか憧れじゃん。」
「奥さんと付き合ってた頃とか、やらなかったの?そういうこと。」
「優子はお嬢様だったし、身体も弱くて外にあまり出たがらなかったから。外が好きな俺はちょっと寂しかった。」
「私もどっちかというとインドア派なんだけど。」
茶化すように笑いながら言うと、倉科は肩をすくめた。そしてその後数秒間見つめ合い、静かに口付けを交わした。
「正しい家族の形に戻れて、良かったね。」
誰もいない教室で一人呟く。声は枯れている。そこに倉科が入ってきた。
「今日、夜、暇?」
「え、何いきなり。」
「久しぶりにデートしようぜ。」
午後9時、半ば強引に誘われた凛音はいつものコンビニで倉科を待っている。しばらくすると、見慣れた黒の車がやってきた。
「お待たせ。」
「ううん。今日はどこ行くの?」
「着いてからのお楽しみ。」
そう言って連れてこられたのは、真冬の海だった。
「なんで海なの?」
「恋人同士で砂浜の追いかけっことか憧れじゃん。」
「奥さんと付き合ってた頃とか、やらなかったの?そういうこと。」
「優子はお嬢様だったし、身体も弱くて外にあまり出たがらなかったから。外が好きな俺はちょっと寂しかった。」
「私もどっちかというとインドア派なんだけど。」
茶化すように笑いながら言うと、倉科は肩をすくめた。そしてその後数秒間見つめ合い、静かに口付けを交わした。