❁お前だけしか、好きにならない❁




その後は、余計な事を考えている暇がなく
時間を忘れてた宣伝を頑張っていた




「逢坂さんと、向坂くん!休憩入っていいよー!」




河上が知らせに来てくれていた





「ありがとな、2人とも!2人のお陰で、
お化け屋敷は、長ーい列がずっと続いてるよ」




「そんなに、すごい人が集まってるの?
でも、私達のお陰じゃないと思うし……」




「いや、2人のお陰だよ!だってお客さん達がね、アリスさんが可愛いいから、来ましたとか、王子かっこよかったですとか、いろんな人から聞いたからね」




なんか、2人で盛り上がってるし




かなり、イラつく




「評判悪くなくて良かったね!」





「……ああ」




いきなり声を掛けられる





今は、イライラしててそれくらいしか返事を出来なかった




「那月くん、疲れたの?もう、休憩しよ?」





「……なあ、この後一緒にまわらね?」





「えっ!」





口が勝手に動いた




自分でも、ビックリしてる




でも、逢坂は嫌そうな顔をしていないようだし良かった





それどころか、ぱあっと顔が明るくなった





すっげぇ、嬉しい




「……誰かと約束してた?」





なかなか返事が帰ってこなくて水沢とかと約束してたのかと心配になった




「ううん!一緒にまわろ!」




逢坂がニコッと笑う




つられてつい、俺にしては凄い笑顔で笑えた




今までで1番の笑顔になれた気がした




逢坂の前だと良い笑顔が出来る




やっぱり、逢坂だなと思った




< 111 / 152 >

この作品をシェア

pagetop