うちのお姫様はお祓い様。
「あなた、日本人なの?」



澪は俺の問いに少し間を空けて聞いてきた。

俺はあの時、澪がその国に住む東洋人で英語しか話せないと思っていたから、急に日本語で尋ねられて驚いた記憶がある。



「あ、あぁ、、、。あの、助けてくれてありがとう。」


「いや、君、明らかに見えてる風だったし。
、、、足、大丈夫??」


「あ、足??」



逃げるのに必死で気付いていなかったが、膝をすりむいていたのだ。

しかも怪我していると分かった途端、怪我したところがドクドクと脈を打って痛くなってきた。



「痛いんでしょ?動かないで。」



そう言ってそのまままた俺を路地裏まで引っ張ってきて、地面に座らせた。
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