うちのお姫様はお祓い様。
うちの家は代々続く陰陽師の名家で、しかも本家なわけだから、日本家屋らしい平屋で、ながーーーい廊下がこれまたつらい。



お爺ちゃんの部屋は特に資料とかが多い関係で少し離れたところにある。
部屋っていうより、仕事部屋とか、書斎っぽいかも。



長い廊下を歩いて、やっと着いた部屋の障子の前に1度正座し静かに声をかける。




「、、、お爺ちゃん、澪です。」



「入りなさい。」



「失礼します。」




障子をあけて中に入ると、お爺ちゃんはさらに増えたと思われる本の山に囲まれて机に向かっていた。




「遅くなってごめんなさい。、、、学校で話は全部芦屋さんから聞いてきたよ。」



「そうか。体の具合はどうだい?」
< 270 / 280 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop