うちのお姫様はお祓い様。
黙って俯いているのを泣いているとでも思ったのか、小林先生は続ける。



「この旧校舎には生徒が見てはいけない資料もあるからな。
もし理由もなくここに入ったのが知れたら品行方正の安倍でもさすがにまずいよなぁ?」


そんなのバラされても私は痛くもかゆくもないけどね。



「もしバラされたくなかったら
明日進路指導室に来なさい。」



私に近づき手に触れながら、耳元でそう告げて小林先生は去って行った。

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