うちのお姫様はお祓い様。
「とっ、友達来たんで!…あの、その、失礼しますっ!!!」


「は?え、ちょっと、、!」


「あっ、待ちぃ澪!!!
自分だけ逃げるなんて卑怯やで?!」



ちょうど会長の視線がずれた隙に一気にまくし立て、空き教室から一気に逃げ出した。


そりゃあもう、雅姫の所まで全力疾走した。



「ゼェハァッ…ゼェハァッ…」


「ちょっと、そんなに息切らせてどこにいたのよ?
全くぅ、待ってって言ったのに!」


「ご、ごめん」


「てかさてかさてかさぁっ!!!
澪が手を引っ張って行った人って、藤原君だったでしょっ?!」



雅姫は心なしか興奮気味に聞いてきた。


「…う、うん」


「もうね、澪が藤原君の手を引いて走って行った瞬間それ見てた女子の悲鳴すっごかったんだからね?
あの女一体誰なの?、って…」



…やばい。私には明日から血祭りになる想像しか出来ない。



「何青ざめてるの?
ねえ、それよりさ。藤原君って至近距離でみるとやっぱりかっこよかった?!」



「…かっこよくもなんともないもんっ!!
んーーーーー!最悪でしょ、こんなのっ!!!」




私の情けない心からの叫びが学園中に響き渡ったのは、言うまでもない。
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