うちのお姫様はお祓い様。
「でも結局はそうならないと澪、いなくなっちゃうんでしょ?
それは嫌なんだもん…」



泣きそうな顔をする雅姫にはっとさせられた。



そう、私はお祓い様なのだ。
私にはこの街を護る責任も、護りたいものもたくさんある。



「…私、もう雅姫を悲しませないって決めてたのに。
ごめんね?…絶対、いなくなったりしないから」


「うん、信じてるよ、澪…」



私はこの街にいたい。
でも、そうするためには…



「会長のこと、どうにかしないと…」





会長との一件が頭の中を占める一方で小林との約束の時間は刻々と迫っていた。
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