いきなり花嫁とか、ふざけんなです。
ソルデさんは、まだ笑い続けます。


「ははははははははっ、おっもしれー!デューノ、振られてやがる!ははははははははっ!」

で、その言葉に少々イラッときたらしい、デューノ氏。

無表情なんですけど、なんとなくそういうのって雰囲気で分かります。

その証拠に、

「ルルノリア・ソフスリー。」

元々低い声を、更に低めて私の名前を呼びました。

……ところで、なんでフルネームなんでしょう。

長ったらしいのに。


「俺は、お願いで言ったのではない。命令だ。」


……なんか、どっかで聞いたことのあるようなセリフが飛び出てきました。


命令とか、しりませんよ。

まったく!


私が言い返そうとする前に、動いたのは意外なハルクさんでした。

彼が、スッと片手を上げるだけで、ソルデさんの笑い声も、デューノさんのイラッとした雰囲気もピタッとなくなります。


……おぉ、凄い。

なんかの魔法ですか。


「お止めなさい、デューノ。彼女が怯えてしまいます。」


にこり。

想像上の精霊、森のエルフって、こんな感じなんだろうな~というような完璧な微笑みを浮かべるハルクさん。

あ、そういえば私、別に怯えてなんかいませんよ。
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