いきなり花嫁とか、ふざけんなです。
いきなりすぎて、驚くこともできません。

状況を理解するのに、精一杯です。



「どうした、ルルノリア。舌を噛むのではなかったのか。」



低い、声。

息が、唇にかかってくすぐったい。


「っ~~!」


胸が、鼓動が、早くなる。

羞恥心。

悔しさ。

忌々しさ。



……頭がくしゃくしゃで、まわりません……!



そうしている間にも、彼の顔が近づいてきていて……。



「やっ……!」



声が、出ない……!

そ、それならっ!


< 16 / 45 >

この作品をシェア

pagetop