いきなり花嫁とか、ふざけんなです。
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆


そもそも、どうして私はあの部屋にいたのか。

時は、昨日の昼過ぎに遡ります。




「よし、リボンもおっけいですね。」


鏡の前でにこり。

そこには、サテン生地の赤いリボンを胸元で結んだ、私が映っています。


ストロベリーブロンドの、腰まで伸ばしたロングストレートの髪。

翡翠のような、深緑の瞳。

日に焼けるとすぐにヒリヒリしてしまう、白い肌。


16歳の平均に届かない、145センチという身長を除けば、まあまあ平均的な、可愛らしいと言えなくもない容姿だと自分では思っています。

……まぁ、美人と誉れ高い母さまには足元にも及びませんがね。


「さてと、行きますか。」


見た目チェックを終えて、気合いを入れます。

今日は、東方にあるウチの隅っこの領地へ行く予定なのです。







あっ、申し遅れました。

私、ソフス領領主の一人娘、ルルノリア・ソフスリーと言います。

よかったら、ルルと呼んで下さいね。



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