いきなり花嫁とか、ふざけんなです。




……なーんて、意気込んで行った、ウチの土地の端っこ。

馬車で六時間もかかったので、着いた頃には真っ暗です。

森に囲まれた緑の多い田舎なので、余計に夜の暗さが引き立ちます。


そんな中、その土地の皆さんは温かく迎えてくれました。

「おぉ、おぉ、ルルノリア嬢、大きゅうなりましたなぁ!」

そう言いながら、お爺さんが大きなカボチャをくれました!

後で、屋敷でスープにしてもらいましょう。


「まぁまぁ、ルル様、お美しくなって!」

そう言って、おばさんは私に笑いかけます。

ふれんどりーなのですよ、ウチの領地の人たちはみんな!

小さい頃、一回だけ両親とここへ来ただけの私を、ここまで歓迎してくれるなんて。

全力で守りたくなりますね!


視察は明日からの予定ですし、今日はしっかりと屋敷で体を休めましょう。



でも明日から、しっかりと頑張りますよ!

時期領主として、バリバリとお仕事をするのです!



カボチャを抱えた私を乗せた馬車は、屋敷へと向かいました。


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