【完】私の甘い彼氏様






相変わらず、私達には視線が付きまとう。

でも、日常茶飯事なので特に気にしない。


それに、この視線は嫉妬や怒りではない。


付き合った当初は碧と私の人気に伴い男女共に嫉妬や怒りの視線を浴びせてきた。

でも、今では憧れているような視線が送られてくる。

美男美女カップル。
王子と姫。
お似合い。
絵本の登場人物。


そう言う風に言われるようになった私達。





「美亜」


「ん?」


「なんで俺が今日、お前を誘ったか知ってる?」


「え…?分からない…」





今日何かがあるとでもいうのだろうか?




「はぁ…お前さ、自分の誕生日も忘れたわけ?」


「へ?え?そうなのっ!」





私は、今日がわたしの誕生日だと言うことをすっかり忘れていた。

ん…?
待って。

私の誕生日は今日なはずない。


だって、いつもお母さんもお父さんもお兄ちゃんも弟も妹も、早紀ちゃんも、朝会ってすぐ祝ってくれるもん。

それがなかった。


まあ、自分の誕生日を人に言われるまで覚えてないのもどうかと思うけどね。




「お前の誕生日は明日。でも、明日俺は部活行かなきゃ行けなくなったから、今日祝おうと思って。」




やっぱり今日は誕生日じゃなかった。

本当に碧は気遣いできるよね!




「ありがと!」



やっぱり碧は優しい。




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