【完】私の甘い彼氏様
そう思った私は咄嗟に碧の手を掴んだ。
「碧、手いい?」
不安げに碧を見上げると
「ん。良いに決まってんだろ」
と、笑顔で私の手を握り返してくれる。
碧とはこうやって何度か出掛けたけど、手を繋ぐことはなかった。
碧の手って大きいなぁ。
暖かいし。
「碧、さっきのは嫌だったんじゃなくて、びっくりしただけだからね?」
私は碧に傷ついてほしくなくて言う。
「そっか」
碧は私に一言だけ返した。
手を繋ぐって恥ずかしいなぁ~。
でも、この手が私を守ってくれる。
なぜかそんな気がする。
そうこうしてるうちにカフェについた。
アンティーク風で木材が多く使われている。
店内に私達が入るのを知らせる軽快な音がなり、店内に足を踏み入れた。