【完】私の甘い彼氏様
「ごめん……、それは、言えない」
「私の事、嫌いになった?心羽ちゃんを好きになったの?」
笑うなんて到底無理で。
今の私の顔、悲惨だと思う。
でもそれより、碧が私を嫌いになるのが怖い。
碧がこれから言う言葉が怖い。
「そんなわけないだろっっ!」
碧を信じてあげたい。
「俺が好きなのは美亜だけだよ」
信じてあげたいんだ。
こんな嬉しい言葉、他にないはずなんだから。
その証拠に今、胸が鳴ったんだから。
「そっか…」
でも、私を嫌いになってないのに心羽ちゃんを優先する理由が見当たらない。
私には分からない。
「信じてくれっ!美亜」
「…無理だよ」