【完】私の甘い彼氏様
……なーんてねっ!
しんみりしない!しない!
私が悲しい顔してたら早紀ちゃんが心配しちゃうから!
「碧、もう行って良いよ」
「分かった。具合悪くなったら絶対やめろよ」
「分かってるって!」
まだ心配したままの碧が私の横を過ぎる。
そのまま目で追ってしまいそうな自分を意識的に逆を向かせる。
ちょっとあからさまだったけど、仕方ない。
でも、
……見向きもしないじゃん。
私の横を素通りした碧の後ろ姿。
私がいることすら分かっていないような素振りだった。
さすがにそれは傷付く。
分かってたことだけど。
「ふぅー!」
碧の事ばっかり考えないっ!
今は目の前の体育を全力でっ!