【完】私の甘い彼氏様
今は二時間目と三時間目の間の休み時間だからガヤガヤうるさい教室。
でも、急に水をうったように静かになったのは……碧と心羽ちゃんが
「大丈夫か?だから休めって言ったのに」
「大丈夫だよ!もうっ、心配性だなぁ」
まるで付き合いたてのカップルみたいな会話をしながら教室に入ってきたから。
まあ、本当にそうなんだろうけど。
本当、自分に自分で呆れるよ。
こんなの分かってたし、今日だけで何回も見てるのにまだ、ズキズキうるさいんだから。
みんなが私を気遣うように見る。
ただ、今はその視線に一番傷ついた。
こっち、見ないでよ…。
「心羽は体弱いんだから、ちゃんとしないとダメだろ?」
「でも、体育くらいできるよ!」
「俺をそんなに心配させたい?」
「心配してくれてるんだー。えへへ」
二人が注目されているにも関わらず会話を続けるから、みんなもきっと分かっただろう。
私が碧と別れたって。
みんなの心の中でくらい、カップルでいたかったな。
なーんてね。