【完】私の甘い彼氏様
「美味しいっ!!」
ここのクレープ本当にいつ食べても美味しくて大好き~。
前、碧とも1度来たことがある。
また一緒に来たいな…なんて。
もう無理なのにね。
「美亜。本当は今くらい忘れさせてあげたいんだけど…」
早紀ちゃんが前置きをする。
あー、碧の事だ。
私も言わないとだよね。
そう覚悟を決めた私に早紀ちゃんが落としたのは思っても見ない言葉だった。
「碧は美亜の事嫌いになったわけじゃないのよ。むしろ今でも大好きなの」
え…?
もう心羽ちゃんの事が好きだから別れたんじゃないの?
急にそんなこと言われてもすぐ信じることができない。
それが、とても信頼している早紀ちゃんであっても、だ。
「ただ、碧には枝岸心羽を優先しちゃう理由があるの…。こんな事言っても美亜を困らせるだけだって私だって分かってる」
そう言って早紀ちゃんは困った顔をする。
早紀ちゃんの言う理由がなんなのかは分からない。
でも嘘を言わない人だって私が一番分かってる。
だけど…。
「私は美亜の友達でもあるけど碧の友達でもあるから…ごめんね」
「早紀ちゃんが謝ることないよ…」
ただ、分からない。
私の事を好きなら別れるなんて選択肢とらないと思うから。