【完】私の甘い彼氏様
私は碧と別れたいと思ったことなんてなかった。
碧の事が恋愛感情の好きだって気づいてなかったときも。
一緒にいたら楽しくて。
時間が過ぎるのなんてあっという間で。
私だけじゃなくて、碧もそうだって思ってた。
でも、違ったんじゃないの…?
「美亜、別れてからブレスレット着けてないでしょ?」
「うん」
碧と別れてからブレスレットは着けないようにしている。
それまで毎日毎日着けていた。
寝るときも枕元に置いていた。
誕生日に碧がくれた最初で恐らく最後であるプレゼント。
だからこそ、辛かった。
見る度に碧を思い出してしまいそうで。
「碧はそれに気付いてすごい悲しんでた」
なんで?
なんで碧が悲しむの?
「私が言いたかったのはこれだけ…。美亜も碧の事、ちょっと考えてあげてね」
言われなくても考えてるよ。
碧の事が私の頭から離れたことがない。
笑った顔。
怒った顔。
喜んでる顔。
ちょっと意地悪な顔。
悲しそうな顔。
優しい顔。
私に見せてくれた顔全部、忘れたことなんてない。
なにかある度に思い出す。