【完】私の甘い彼氏様



明日も碧に話しかけてみよう!


そう決意して碧の家の近くのコンビニを曲がったところだった。




“ドンっ”



向こうから曲がってきた人とぶつかった。

痛い。


私が顔をあげるとそこには太った中年のおじさんがいた。




「痛いじゃねえかよっ!」



私を睨むように見たあと、やがて




「お?可愛いじゃん?お姉ちゃん、俺怪我しちゃったから責任とってくれるかなー?」



そんなことを言って私の手を引っ張って建物の影へ引きずり込もうとする。


やだ……。


私の事を荒々しく掴む手。

ニタニタ笑う顔。

私の事を舐め回すみたいに見る目。

お酒が匂う荒い息。



“ズキッズキッ”



「はぁはぁはぁはぁ」




頭がズキズキして呼吸が荒くなる。




………あの時と、一緒だ…。


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