【完】私の甘い彼氏様
過去と未来と…
〔side 美亜〕
“ズキッズキッ”
頭が痛い…。
まるで鈍器で思い切り頭を殴られているみたいだ。
「はあっ…はーはあ」
うまく息が出来ない…。
やばいっ!
立ってられない…。
そう思ったと同時に体が傾いた。
“ズサッ”
布が地面と擦れた音と倒れたことによる衝撃が私を襲う。
「チッ。なんなんだよめんどくせー」
薄れる意識の中で男が去っていく気配を感じた。
でも今の私には
“怖い”
しか考えられなかった。
頭も痛いし息も荒い。
自力では倒れた体を起こすことさえ出来ない。
もう、このままここで……。