【完】私の甘い彼氏様
好きな人のためならなんでもできる。
この時始めてこの言葉の意味を知ったのを今でもハッキリ覚えている。
ただ、この言葉は先生にとって禁句だった。
「お前……、何をいってるんだ…?俺達は愛し合っているんだろう…?この男が好き…?美亜、冗談はやめろっ!!」
須賀先生は頭を抱えて叫んでいる。
怖い…。
恐怖で膝がガクガクする。
でも、ここで折れたらダメだ。
ここで折れてしまったら私も橋戸くんだって、なにも救われない。
ここで頑張るしかないんだ。
「冗談なんて言ってません!私が好きなのは須賀先生じゃくて、橋戸くんです」
よく考えたら、これって本人の前で愛の告白してることになるよね…。
今はそんな場合じゃないの分かってる。
でも恥ずかしいっ!
恥ずかしくて橋戸くんの方向けないよ~!!
「ふざけんなっっ!」
“ドカーンッ”
須賀先生が近くにあるイスを思い切り蹴飛ばして怒鳴った。
そして、どんどんこっちに歩いてくる。
やだ…やだやだ来ないでよっ!
私も一歩一歩後退していく。
ただ、恐怖で体が思うように動かない。