【完】私の甘い彼氏様
私達が楽しく会話しながら歩いていると、すぐそばの角から人影が現れた。
その人物を見た瞬間、橋戸くんの手が私から離れて震え始める。
そして一歩一歩後ずさる。
私もその人から一定の距離をとる。
怖い…。
なんでここにいるの?
私たちの前に突如として現れたその人物は……須賀先生、その人だった。
「久しぶりだな、美亜。」
私に微笑みかける須賀先生。
やだ。
怖いよ。
美亜なんて呼ばないでよっ!
近づいて来ないでよっ!
そうして、今度は橋戸くんの方を向き、私のときとはうって変わった鋭い目付きで
「俺の美亜にさわってんじゃねーよ!」
と怒鳴った。
“俺の美亜”……?
違う、私は橋戸くんのだ。