【完】私の甘い彼氏様
俺が優しい…?
自分からこくったくせに、
自分からフッて。
自分からフッたくせに、
まだまだ美亜を好きで。
矛盾だらけの俺が優しいなんて、可笑しい。
だって、美亜がブレスレットしてないだけで早紀に相談しちゃうくらいだぞ?
こんな俺を優しいなんて言える美亜の方が絶対優しくて寛大なんだ。
それに俺がもしも優しいとしたら、それは美亜だから。
美亜に嫌われたくなくて一生懸命“良い彼氏”演じてたんだよ。
「俺は優しくなんてないよ。…もう暗いから行くぞ」
本当は美亜の手を引いて歩きたい。
でもその立場を手放したのは俺の方…なんだよな。