【完】私の甘い彼氏様
「はあ…」
私ってなんでこんなに鈍くさいんだろう?
保健室に向かって歩きながらため息をこぼす。
そんな私に引き換え碧はなんだって出来ちゃう。
勉強も運動もその他にも…。
碧が出来ない事なんて知らない。
碧がそんなにかっこいいからモテちゃうんだよ。
碧がそんなにかっこいいからみんな碧を好きになっちゃうんだよ。
私だって。
好きになっちゃったんだよ。
“コンコン”
「失礼します」
保健室のドアを開けるとモアッとした空気が私を包んだ。
もう6月だもんね。
返事がなかったので中を覗くと人影があった。
先生かな…と思って近づくけど……
「橋戸…くん…」
そこにいたのは、橋戸くんだった。