【完】私の甘い彼氏様



思わずその場に立ち尽くす。


そんな私を見て橋戸くんは一度下を向いたあと、





「とりあえず手当てすれば」





と私の擦りむいた足を見て言った。


そうだけど…。

手当てするために来たんだけど…。


私は踵を返して保健室を出ようとする。


でも
“パシッ”
っと橋戸くんに手を掴まれて止められてしまった。





「なんにもしないから、そんなに逃げるなよ…」





なんで橋戸くんはこんなに悲しそうな顔をしているの…?





「お願いだから…」




そんなに言われては立ち去ることなんて出来なかった。


しょうがなく橋戸くんが座っているところから離れたイスに座って消毒液を救急箱から取り出す。

なんでこんなことになったんだろう…?



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