【完】私の甘い彼氏様



すると橋戸くんは私に向かって“ガバッ”と勢いよく頭を下げて





「高田っ!あの時は本当にごめんっ!」






そう言って謝った。



え…?

急になに?






「謝って許されることじゃないと思う。高田に大きい傷を与えてしまったって分かってるんだ。でも、どうしても謝りたかった。」






今さらそんなこと言われたって…。



だって、私のなかであの事はなかったことにしようってずっと思ってきた。

でも、碧が助けてくれたって知ってやっともうすぐ消化できるんだって。

そう思ってた。



だから、もう、いいんだ。



それに、橋戸くんが悪いんじゃないじゃん。

確かに、置いていかれたことで私には“裏切られた”って。

大好きな人に置いていかれたって思った。


それがすごくあの頃は辛かった。



でも考えてみれば橋戸くんは須賀先生のせいであんな目にあってるんだ。

そうなって当然なのかもしれない。



そんな風に思えるようになった。

私、少しは強くなれた?


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