【完】私の甘い彼氏様



「だいたいなんなの?」





心羽ちゃんのあまりの豹変ぶりに私は言葉を失う。


前から心羽ちゃんによく思われてないことは薄々気付いてはいた。

でも、こんな風に言われたことは今まで一度もなかった。





「あんた碧と付き合ってた頃、碧をデートに誘ったこともないし、碧のこと好きでもなかったんでしょ!?」






なんで、心羽ちゃんが知ってるんだろう…?





「なのになんで好きでもない人からの告白を受けたりしたの!?好きでもないのに碧を、碧の心を奪わないでよっ」





あまりに理不尽なことを言われているって分かってる。


でも、碧をこんなにも想っている心羽ちゃん。

心羽ちゃんだって、一度碧から別れを告げられたんだ。

今の私と同じなんだ。


だからこそ分かる。


私と碧が付き合ってたとき、なんで私がいるのに碧に近づくの?なんて思ってた。

でも、別れたからって碧を好きな気持ちは直ぐには変わらない。


碧と話していたい。

碧の笑顔が見たい。


…碧の一番になりたい……。


そんなの、別れてからしか分かることができなかった。



でも今だからこそ分かるんだ。

心羽ちゃんも私と同じ、なんだよね。


< 328 / 387 >

この作品をシェア

pagetop