【完】私の甘い彼氏様
「だいたいなんなの?」
心羽ちゃんのあまりの豹変ぶりに私は言葉を失う。
前から心羽ちゃんによく思われてないことは薄々気付いてはいた。
でも、こんな風に言われたことは今まで一度もなかった。
「あんた碧と付き合ってた頃、碧をデートに誘ったこともないし、碧のこと好きでもなかったんでしょ!?」
なんで、心羽ちゃんが知ってるんだろう…?
「なのになんで好きでもない人からの告白を受けたりしたの!?好きでもないのに碧を、碧の心を奪わないでよっ」
あまりに理不尽なことを言われているって分かってる。
でも、碧をこんなにも想っている心羽ちゃん。
心羽ちゃんだって、一度碧から別れを告げられたんだ。
今の私と同じなんだ。
だからこそ分かる。
私と碧が付き合ってたとき、なんで私がいるのに碧に近づくの?なんて思ってた。
でも、別れたからって碧を好きな気持ちは直ぐには変わらない。
碧と話していたい。
碧の笑顔が見たい。
…碧の一番になりたい……。
そんなの、別れてからしか分かることができなかった。
でも今だからこそ分かるんだ。
心羽ちゃんも私と同じ、なんだよね。