【完】私の甘い彼氏様



「私の碧を一度は奪ったことは変わらないでしょっ!?

あんたのせいで、私から碧が離れていったのよ…。」





心羽ちゃんは一瞬たりとも敵対心を絶やすことなく私を睨み続ける。






「でも、もう碧は私から離れられない。碧は私のもの。一生、あんたなんかにやらないんだから」





一生?

離れられない?



そういえば、碧も言っていた。

これからは私を優先できないって。

心羽ちゃんを私より優先するって。


あの時はフラれた動揺で考えられなかったけど、碧と心羽ちゃんにはなにかあるの?


碧が心羽ちゃんを優先する理由、なんだろう?



考え込む私に、心羽ちゃんは





「聞きたい?碧が私を誰より大切にする理由」





鼻で笑うように言った。





「もう碧には聞けないもんね。

“ココ”で碧にフラれちゃった高田さんには」





そして今度は本当にケラケラと笑い出した。

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